第176章 ちょっと考えてみる

水野佑奈はそれを聞いた瞬間、腹の底から可笑しくなった。

有川紘樹を見る目には露骨な嘲り。けれど口から出た言葉だけは、刃みたいに揺るがない。

「お断りです」

顔いっぱいに浮かぶのは皮肉な笑み。声はすっと冷えた。

「有川紘樹、夢見ないで。いまここではっきり言う。私は佐伯薫のためになんて動かない。専属顧問だの何だの、あの人の飾り付けをする気は一切ない」

「それに、五年前にあなたが勝手にセイヤ先生を断った件、まだ清算してない。私の席を奪って、道を潰そうとしてる相手を支えろ? あり得ない」

その断言が、有川紘樹の癇に触れた。

表情がすっと落ち、空気が重くなる。周囲を押し潰すような圧が滲み...

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